債権譲渡登記- REGISTRATION OF ASSIGNMENT CLAIMS -
債権譲渡登記って何?
民法の原則に従い、債権譲渡を行う場合、契約書を作成の上、売掛先(第三債務者)から承諾書(公証役場で確定日付を取得する。)をとる方法にて行うこととが一般的かと思われます。
債権譲渡登記はこれを登記によって代替する、というものです。
(但し、全く同様の形での代替ではなく、下記記載のようなメリットがあります!)
法律的には以下のような、いいまわしとなります。
債務者に対する確定日付ある証書による通知または承諾に代わり、登記を行うことにより、第三者対抗要件を備えるものです。
※第三者対抗要件を備える意義は、譲渡人が破産等をし争いになった場合等に優先するか否かの問題が生じます。また流動化案件ではオフバランス処理等の会計上の問題も生じます。
債権譲渡登記のメリットは?
メリット
①債務者対抗要件を切り離せる(売掛先への通知を留保できる)。
上記のような、民法の原則に従った場合、企業様にとって御懸念されるのが「取引先に知らせることで信用不安になってしまうのではないか?!」
という点ではないでしょうか。
昨今、債権譲渡担保への認識も高まりつつありますが、出来ることなら知らせたくない、
というニーズに応えることが出来るのも債権譲渡登記の特徴です。
つまり…
右の図をご覧いただきますと分かりますように、A社(債権者)→B社(債務者)への債権を、C銀行(債権譲受人)に債権譲渡を行う場合に、B社への通知は留保できるのです。
このことは、取引先に知られずに、債権譲渡を行って、資金調達を行う場合に、特筆すべきメリットとなります。つまり、原則として取引先に知られずに譲渡担保に供することが出来るのです(※1)。
民法の原則では債務者への確定日付ある証書による通知または承諾が対抗要件だったため、どうしても、債務者へ通知をせねばならなかったのです。
登記によって、第三者対抗要件を備えておけば、後にD社が債権を譲り受け、配当等の問題が生じても、対抗を主張できます(債務者対抗要件は別途具備する必要があります。)。
※1:絶対に知られないわけではありません。 売掛先が証明書を取得する等、積極的な調査をした場合はその限りではありません。
②安価な費用で第三者対抗要件を備えることが出来る。
民法の原則である、確定日付は1通当たり700円。
債権譲渡登記の場合は、1件(債権個数10万個まで!!)当たり、登録免許税7500円(5000個超の場合は15000円)。
そのため、債権個数や売掛先が多数に上る場合は、そのコストメリットは計り知れません。